認知症への備え
2021/07/20
~いつまでも自分のまちで~
年をとれば誰でも認知症になるかもしれませんが、正しい知識で備えていれば、慌てなくても大丈夫です。
自分事として、介護する家族として、一緒に過ごす地域住民として、必要な情報をお届けします。
"認知症は長生きの勲章"
なっても幸せ!認知症
皆さん認知症になると何もわからなくなる、周囲に迷惑をかけ申し訳ない、と思っていませんか?実はそうとも限りません。厚生労働省によると、認知症を有する人の割合は80~84歳で約2割、90~94歳で約6割、95歳以上では約8割になります。つまり、長寿と認知症はある意味表裏一体で、病気や事故で亡くならずに長生きすればするほど、認知症になる確率が上がります。ですから認症は長生きの勲章でもあるのです。認知症になったら困ることもありますが、"長生きの勲章"だと思って人の助けを受ければいいんです。足が悪くなれば杖を使うのと同じように、認知症になったら人の杖が必要なのです。「長生きしたんだから物忘れをしてもいいんだ」「自分は忘れるからあなたが代わりに覚えておいてね」と堂々宣言してしまえばいいんです。その方が周りが助けてくれるので楽です。
認知症になっても、ここまで長生きできたことを喜んで、物忘れする自分をありのまま受け入れ、素直に周囲を頼りましょう。そうすれば残りの人生ももつと笑顔で暮らしていけますよ。
ささえる家族に必要なのは正しい知識とリフレッシュ
介護する家族も、認知症のことを正しく理解していると、介護の負担が随分と違ってきます。
認知症の人に「なんでさっきのことを覚えていないの?」といいたくなりますが、それは自分が覚えているからです。記憶力が低下するのが認知症ですから"覚えていないのが当たり前"なんです。ただし記憶力は衰えても、本人の感情は生き生きとしており、プライドもあります。
「してあげる」という態度で接すると、本人がだんだん「自分はできないことが増えて、弱い立場だと感じ、生きる意欲を失ったり、かえって強がって見せたりします。
「喜んでもらえば私もうれしい」と笑顔を添えてみてください。本人の気持ちが穏やかでいられますから、周囲が困るような症状も現れにくく、介護が楽になります。認知症のケアは長丁場。介護する家族のリフレッシュも大事です。
ディサービスやショートステイを上手に利用しましょう。
また、認知症の家族がいることをオープンにした方が、近所も気にかけてくれます。見守りや支援も受けやすく、介護について相談し合える仲間に出会えます。
こうして地域の人たちとつながり合って、本人も家族も住み慣れた街で笑顔で暮らしている人々がたくさんいます。(群馬大学・名誉教授 山口 晴保先生の見解より)
サブタイトル