認知症の進行に応じた接し方が絵顔の土台
2021/08/28
認知症は進行度合いによって症状が変化
認知症は、時間の経過とともに個人差はあるものの、症状が進行していきます。それに合わせた対応ができると本人も安心して笑顔ですが、進行していることにきづかないと大変になりがちです。
一般的に周囲が物取られ妄想は割と早い時期からですが、暴力などは中期からです。しかし、その症状の背景にはいろいろなことが分からなくなってきた不安や戸惑い、くやしさ、つらさなどの心理状態が、隠されています。本人が今どのような心理状態で、どのようなケアを求めているのかを理解しようという気持ちで接すれば、その症状を生じにくくすることができます。
初期(軽度)・中期(中等度)・進行期(重度)の症状
初期・最近のことを忘れる・時間が分からなくなる・言葉がすぐ出ない・不安
感、うつ症状、盗盗られ妄想・イライラ・買い物や料理などがむつかし
くなる。
中期・さっきのことを忘れる・場所が分からなくなる・複雑な文章を理解でき
ない・幻視、幻覚が現れる・多動、暴力、無断外出。食事や入浴などが
難しくなる。
進行期・すべて忘れる・失語状態・失禁、不潔行為、痙攣、身体のこわばり、
全解除が必要になる。
※症状は目安です。上の症状は最も多いアルツハイマー型認知症の場合の例です。
ともに笑顔で過ごすためのアドバイス(進行に応じた接し方)
本人の状況
初期: 誰かの見守りがあれば自立して過ごせます。
認知症と診断されれば誰でも動揺するもの。不安や焦りはありますが、
一方で自分なりにできることは自分で行いたいという前向きな気持ちで
暮らしています。
中期:手助け、介助があれば日常生活を送れます。
暴言、暴力などの症状の背景には、例えば財布などを置いた場所を忘れて
しまう不安や言葉で表現できないイライラなどがあり、理解してほしいと
いう気持ちがあります。しかし、できないことが多くなっても、やりたい
ことはあります。
進行期:生活全般に介助が必要となります。
心身の衰弱とともに、周囲を困惑させるような行動は少なくなります。
徐々に床に就く状態が多くなり会話も困難になりますが、心は動いてお
り、安らぎの中で自分らしい人生を全うしたいと願っています。
家族の接し方
初期:大切なのは本人の思いに寄り添ったケア。本人が安心できる環境整備を
・本人の焦りや不安を理解する。
・安心できるよう、なじみの居場所づくりや笑顔で声掛けする。
・忘れてもいいように、本人にもわかるよう、メモにしておく。
・楽しみや役割のある生活を送れるように援助する。
中期:困った行動はその原因を察してあげられると緩和されます。
・最低限の手助けでほんにんができることを一緒に行う。
・困らせる言動を否定せず、その背景にある原因を察してあげる。
・本人の思いに寄り添って困りごとを考え、減らす工夫をする。
・失敗はおおらかに受け止め、できることは褒める。
進行期:本人の尊厳を認めて少しでも気持ちよく過ごしてもらうケアを。
・会話が難しくても、笑顔で声掛けする。
・手を握ったり、背中をさすったりスキンシップを大切にする。
・嫌がるケアは避け、本人の気持ちを尊重する。
・排泄のリズムやサインを把握し、こまめにトイレ誘導を行う。
・部屋などを汚してしまっても、しからず淡々と処理する。
★認知症の方をお世話なさっている方の相談窓口
認知症家族の会という全国組織がございます。各県にあり千葉県にもございます。
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