認知症と生きる まさかの費用、保険で備え
2022/03/21
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認知症になった時、備えておきたいことが2つある。一つは認知症になった
本人の介護などの費用への対応。もう一つは,認知症になった人が徘徊などの際に事故を起こしてしまった時などの賠償費用だ。生命保険と損害保険で
それぞれ事前に備えておくことができる。最近こうしたリスクに備える
保険が相次いで販売されている。
賠償責任補償対象広がる。
認知症になると、見守りなどで公的介護保険制度の給付以外にも介護保険が
必要になるケースがある。こうした費用に備える手段の一つは生命保険会社の認知症保険や介保介護保険だ。一定の条件を満たせば、一時金または年金の形で受け取れる。
認知症保険では、主に認知症と診断されることが保険金が出る条件となる。商品によっては「護介護1以上」など公的制度と連動する条件が付く場合もある。介護保険は一定以上の要介護状態になれば認知症でも保険金が出る。
認知症保険では軽度認知障害(MCI)が保証されるかどうかがポイントの一つとなる。
例えばSOMPOひまわり生命保険はMCIの診断が初めて確定した時に契約時に決めた基準一時金一時金の5%、その後に認知症と診断されれば95%の一時金が出る。MCIを経ずに認知症の診断が確定したら全額をもらえる。朝日生命保険にはMCIの診断確定時に最大30万円が出る特約がある。
一定の要介護状態になると保険料の支払いが不要となる商品もある。アフラック生命保険の「しっかり頼れる介護保険」は要介護1以上で保険料免除になる。一方東京海上日動あんしん生命保険の「あんしん年金介護R」は、契約時の年齢により70~80歳までに受け取った保険金と払った保険料の差額が戻る。
認知症になると必要な時自分で保険金を請求できない恐れがある。子供などを「指定代理請求人」として契約し、家族に伝えておこう。
認知症の高齢者が事故を起こした時の賠償費用に備えるのは個人賠償責任補償で、火災保険や自動車保険に付帯して加入するのが一般的だ。損害保険で以前からある保証だが、認知症に対応し大手損保は補償範囲を広げている。まず保険の対象とする人の範囲について、三井住友海上などは加入者が認知症で責任能力がない場合、監督義務がある別居の既婚の子供なども保証の対象にするようにした。以前は本人の配偶者か同居の親族、別居の未婚の子供に基本的に限られていた。子供が加入しており監督義務がある場合は別居の親が起こした事故も対象となる。
補償する事故の範囲も広がっている。認知症の高齢者が徘徊して線路の中に侵入し、電車の運行を停めてしまった時は「物を壊したり人にけがをさせたりした場合」に当てはまらないため、以前は個人賠償責任補償の対象外だったが、大手損保を中心に、電車を停めた際の賠償費用を補償対象に加えるようになってきた。例えば損害保険ジャパンは火災保険に個人賠償
責任補償を付帯する場合の保険金は最大で1億円、自動車保険では国内なら無制限だ。
東京海上日動火災保険の「認知症あんしんプラン」は、個人賠償責任補償の他、徘徊で行方不明になると捜索費用を1回の事故につき30万円まで補償する。
名古屋市や神戸市など自治体が損保と契約し、地域の認知症患者を対象に保証制度を導入する例も増えている。税金で保険料を支払い、高齢者の直接負担がないことが多い。補償内容・金額や適用条件は自治体によって異なる。認知症の本人に責任能力がなく監督義務者もいなければ誰にも法的責任がない場合もある。そうなると被害者が賠償を受けられない。こうした事態に備える動きもある。三井住友海上とあいおいニッセイ同和損害保険は、自動車事故で運転者など誰にも法的責任がない場合も対人・対物賠償保険と特約を導入した。いざというと気の備えを同じ保険料を払う特約を導入した。いざというときの備えを確認しておこう。
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