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認知症と生きる。認知症は病、正しく恐れる

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認知症は病、正しく恐れる

認知症は病、正しく恐れる

2022/03/09

             症状緩和の創薬に期待、根治難しく  
アルツハイマー病などの認知症に備えるには、この病を正しく知ることが大事になる。日常生活にどんなに気を付けても、生活習慣病と違って予防はなかなかむつかしい。がんのように早期発見・早期治療というわけにもいかない。年を重ねていけば、発症するリスクも上がる。人生100年時代では誰もが避けて通れず、向き合うしかない。ならば正しく恐れる術を身につけたい。



 昨年ヒットした映画「ファーザー」名優アンソニー・ホプキンスが認知症を患った一人の老紳士の内面を好演した。家族なのに見知らぬ他人が突然、我が家に居座るように思え、大切にしてきた時計や家具が次々なくなっていく。認知症の人たちの視点で描いたまか不思議な世界。今がいつで,ここがどこか、が分からなくなる恐怖を物語は描いた。 近著「認知症世界の歩き方」(ライツ社)も興味深い一冊だ。お風呂に入るのを嫌がる、目的もなく歩き回る、といった周囲を困らせる行動をとるわけを理解する一助になる。認知症とは「認知機能が働きにくくなったために生活上の問題が生じ暮らしづらくなっている状態」のこと。同書はこのことを是非覚えてもらいたいと訴える。

 認知症は老化現象に伴う深刻なもの忘れと思っている方もいるだろう。しかし違う。れっきとした脳の病気だ。患者の7割近くを占めるアルツハイマー病の場合、医学的には脳の海馬が委縮する神経変性疾患として位置づけられ時間や空間をとらえる認知機能がじわじわと衰えてゆく。
 今なお、発症の仕組みは詳しくはわかっていないが、50代、60台から脳にたまってゆくたんぱく質「アミロイドべーター」などが原因となり、神経細胞を壊してゆくとされている。
 「5分おきに同じことを繰り返し聞く、ものがなくなり盗まれたと騒ぎ立てる。こうした言動は認知症の症状であって、人が変わってしまったわけではない。胃潰瘍で胃が痛い、狭心症で胸が痛い、と同じようにとらえてほしい。」こう助言するのは横浜市立脳卒中神経脊髄センター臨床研究部長の秋山晴彦さん。家族にとっては理不尽なことが日常生活で繰り返されがちだが、それでも「周囲の人の接し方次第で症状は変わることもある」と語る。                                  
 昨年夏、アルツハイマー病の進行を食い止められると期待される初の新薬が米国で承認された。米バイオジェントとエーザイが共同開発した『アデュヘルム(一般名アデュカヌマブ)』だ。ただ日本では臨床試験の結果が十分でないないとの当局の判断から、承認は見送られた。
 とはいえアデュヘルムの実用化で、アミロイドべーターを標的とする創薬が今後大きく前進することは間違いない。10年単位で考えると、根治はできなくても、大幅に症状を和らげる薬はいずれ登場するだろう。
 認知症は進行すると幻聴や妄想、徘徊や暴力をふるうといった周辺症状が出るケースも少なくない。ゆえに社会のステグマ(差別や偏見)を生みやすい。しかし、多くはこの病への理解の欠如と過度な恐れに起因している。
 地域や職域で「認知症サポーター」を要請する仕組みがある。認知症に対する正しい知識を身につけ、理解を深める格好の場といえる。多くの人が認知症の人たちと接する機会をできるだけ持つことで、認知症と共生する社会は実現する。                        
             医療と介護の垣根解消を
2000年に介護保険制度が導入され認知症の人への支援が進んだ。社会が寄りそう仕組みが広がり介護する家族の負担も減った。認知症の人が集う「カフェ」などの取り組みも活発で、認知症への理解は着実に広がりつつある。
 これからは医療の世界がどう向き合ってゆくかが問われる。決め手となる治療法がなく、診断後に匙を投げる医療機関も少なくない。個人差はあるが、高齢だと認知症の状態での寿命は10年前後とされる。ガンにおける緩和ケアや終末期医療のようなアプローチもいる。認知症には「医療」と「介護」の垣根の解消が必要になる。   
        認知機能が次第に低下していく認知症
記憶…何度も同じ話をしたり、同じことを聞いたりする。ものをしまった場所だ 
   けでなく、しまったことを忘れる。 
注意…話しながら歩くなど同時に2つのことができなくなる。

段取り…順序だてて実行に移せなくなる、家事や仕事に手間取る。
日にちと場所…今がいつなのか、ここがどこなのかわからない。
周辺症状…うつ状態、幻覚・妄想、徘徊したり興奮したりする。

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