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認知症、目立つ発見遅れ

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認知症、目立つ発見遅れ

認知症、目立つ発見遅れ

2022/06/13

運動や交流促す必要                             
 認知症は家族などが異変に気付くことが多い。新型コロナウイルス流行下では受信の遅れも目立つ。東京都健康長寿医療センターの岩田淳脳神経内科部長は「運動や人との交流が減ると認知機能低下の進行が早まる可能性が高い」と警鐘を鳴らす。
 2020年4月東京都に始めて緊急事態宣言が出されて以降、東京都健康長寿医療センターで認知症と新たに診断された患者数は大幅に減少した。20年の認知症の新規患者数は前の年比9割程度にとどまった。
 認知症と診断された人の比率は上がっており、コロナ流行下でも症状が深刻な場合は受信に至っていることがわかるが、比較的症状が軽い人や初期の人の受診が減っていると推測できる。コロナ禍での問題は大きく2つある。まず、外出や社会活動の機会が極端に減っていることだ。体力や認知機能が落ちている人がそれなりにいるだろう。高齢者ではオンラインを使った交流ができる人は限られている。
 もう一つの問題は、認知機能が低下しつつある人を見つける手段が減っていることがあげられる。例えばコロナ前は月に一度様子を見に両親の自宅を訪れていたが、コロナ禍で訪問の頻度が減った。1年ぶりに自宅に行くと「冷蔵庫がカビだらけだった」等異変に気付き、慌てて受信したような事例だ。電話ではなく、自宅に行って初めてわかることは多く、家族の発見が遅れた症例は少なくない。
 もう少し早い段階で連れてこられたのではないか、と感じると感じる患者もコロナ禍で増えている。 
 以前なら周囲の目が行き届いていたのに、行動制限が呼びかけられたため、なかなか見つかりにくいという状況があったのではないだろうか。   
 足元の認知症の新規診断数はコロナ前とほぼ同じになっているが、比較的症状が進行した患者が多い。コロナ前なら周囲が気づき、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)で受診したであろう人が認知症になった段階で受診している。軽度認知障害は日常生活を送るのに大きな障害はないが、認知症は介護が必要であり、大きな差がある。
 MCIの進行を抑えるのには頭を使ったり運動したりすることが欠かせない。これらの活動が十分でないと、認知症への進行が早まる可能性が高い。複数の研究で、脳や体を鍛えると認知機能の低下の防止に一定度役立つことがわかってきている。
 MCIの患者には運動や他社との交流を勧めているが、コロナ感染を必要以上に恐れてこもりがちになる人が多い。一度億劫になると、人と接触しにくい早朝や夕方の散歩を勧めてもなかなか足が進まない。そうなると、足腰はだんだん弱くなり、後ろ向きな気持ちも強くなって体力も認知機能も衰えてゆく。
 自宅に閉じこもりがちになり、家族と過ごす時間が増えたことがかえってマイナスになることもある。例えば夫婦で暮らしていて、認知機能が落ちてきていた夫にイライラした妻がなじるような場合だ。夫の側は妻に怒りを覚え、だんだん心理的に追い詰められる。暴力をふるったり、暴言を吐くケースも散見される。
  高齢者はコロナに感染すると重症化しやすい。重症化予防に一定の効果を発揮するワクチン接種率は高まったものの、それなりにコロナ前と変わらない生活をしている人と、警戒感の強い人がいる。コロナ前は家族が口酸っぱく言っていたから渋々運動していたようなタイプの外は「コロナ対策」を理由にこもってしまう。こうした出不精の人に外に出ましょうと勧めてもなかなか難しいのが現実だ。
 認知症はとにかく早期発見が重要だ。MCIの段階で生活改善に取り組めば進行を遅らせることができる。認知症の患者に対しても投薬に加え、運動を進める。
 運動や社会活動を促すにはインセンティブが必要だが、コロナ禍では難しい。外出せず感染しなかったという成功体験があるからだ。 
可能な限り必要な運動や他社との交流をするように国は発信に努めてほしい。コロナが落ち着くのか、今後も断続的に続くのかは見通しにくい状況だが、コロナ禍であっても高齢者の社会活動を活発に促す仕組みづくりが、コロナとの共存の中で非常に重要だ。
 コロナ禍で一つ、ブレークスルーがあった。これまで認知機能の検査は院内で対面式で行ってきたが、リモートや一人でできるシステムが増えてきた。タブレット端末やパソコンで実施する。全国の一部の自治体ではすでに導入済だ。潜在的な患者の掘り起こしが期待できる。今後オンラインでの認知機能の検査は増えていくだろう。 
          期待の新薬承認見送り
 認知症の治療は薬物と認知機能訓練や運動療法などを組み合わせる。認知症の7割ほどを占めるとされるアルツハイマーに対して、国内で承認された薬は4種類でいずれも症状を緩和する。21年に米国で条件付きで長期的に進行を抑えるととされる新薬が承認された。
 ただ効果をめぐり専門家の見解は割れており、日欧では承認されなかった。
 アルツハイマーは脳にタンパク質「アミロイドβ」などがたまることで発症されるとされる。米バイオジェンが開発が開発した新薬「アディカヌマブ」はアミロイドβを取り除くため、認知症の根本治療につながると期待されている。最終段階の2つの臨床試験のうち、片方は効果が確認できず、副作用が起きることなどで日本は承認が見送られた。
 当面は薬だけによる克服は現実的ではなく、早期に発見し薬物以外の治療にも取り組むことが欠かせない。運動や外部との交流で心身共に刺激を与えることが重要だ。

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